Shady Part of Me:レビュー

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3D アクション パズル レビュー 星5

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本稿は「Shady Part of Me」のレビューです(Ver.1.02 Build:11.01.2021時点)。

本ゲームは、3Dアクションパズルゲームです。少女と彼女の影、二人を切り替えて解くパズルです。(PS4版でプレイし、トロコン済み。)



攻略サイトを見ずにクリアできました。パズルの難易度は、高過ぎず低過ぎず。

クリアまでの総プレイ時間は、6時間程度です。その後、収集要素を自力で探すのに、2時間くらいはプレイしています。


夢か、うつつかか、それとも・・・

これは「少女」の物語。・・・いえ、「少女」と「彼女の影」の物語。

まず、物語はモノクロのような世界から始まります。これは彼女の夢?それとも記憶?

歩いていくと、言葉が浮かんできます。その言葉にはひとつひとつ、彼女の想いのかけらが込められています。彼女はかけらを集めるように、少しずつその「何か」を思い出していきます。

それが彼女にとって、どういった意味を持つのか。彼女自身にもまだ分かりません。

・・・と、こんな風に物語の冒頭は始まります。(言葉で説明が入るわけではないので、あくまでもイメージです。)

彼女は、なにかに怯えているように見えます。しかし、現時点ではまだ何も分かりません。


二次元的で、三次元的なゲームシステム

本作は、3Dアクションパズルゲームです。

冒頭の時点で、プレイヤーはあれ?と思うはずです。これって2Dアクションなの・・・?と。ですが、そのまま進み続けると・・・、実はこの平面的な世界は、立体的な世界の中にあることに気が付きます。

複数のベッドが見えるので、おそらく場所は病院でしょうか。白黒の世界は、影の世界。壁や床の中には影の世界があり、彼女の影はその中を移動しているのです。

3Dの世界に、2Dの影の世界が交錯している状態。なかなか脳が混乱します。

正直、こればっかりはスクリーンショットで雰囲気を味わってみて下さい。これこそが、本ゲームの醍醐味と言って良いと思います。おそらく、これは文字で伝わらない。


秀逸なパズル

本ゲームはパズルアクションです。

2Dか3Dかと聞かれると、なんとも答えにくい不思議なゲームです。3Dの中に2Dがあり、それが3Dの中に張り巡らされて、3Dになっていく。そんなイメージです。

ゲームプレイ中は、このように何度も2Dと3Dが交錯します。それが見事に絡み合い、なんとも不可思議なパズルとなっています。

正直、頭がこんがらがるのですが、これはなかなかに面白い体験です。ぜひ、思う存分に混乱してみて下さい。他のゲームにはない感覚です。

本ゲームでは、少女彼女の影を都度切り替え、ギミックを操作していきます。少女の押した箱が、彼女の影から見ると、大きな障害物になっていたり。逆に、彼女の影がスイッチを切り替えれば、少女の方にも影響が現れます。

RPGでダンジョン攻略時に、二手に別れるイベントってありません?各部隊でギミックを解き、ダンジョンの先に進む定番のイベントです。本ゲームは、まさにそれです。


必要なのは、柔軟な発想

本ゲームのパズルは、そこまで難易度が高くはありません。理由は、パズルに関連する要素の数が少ないからです。たとえば、用意されているものはボタン一つと、移動できる箱、これだけ。

あとは箱をどう移動すれば、影側にどう影響するか。光源に近づければ影は大きくなり、逆に遠ざければ小さくなります。そして、それとボタンを組み合わせるのです。

どうです?簡単でしょう。

・・・というのはウソです。そんなに簡単ではありません。

実は、ここにもう一つの要素が加わります。それは「時間」です。「タイミング」と言い換えてみてもいいでしょうか。用意されているものはシンプルですが、それをどのタイミングで組み合わせるか。それが難解なのです。

そして、少女の世界影の世界とでは、世界の法則が異なります。これらが複雑に絡み合うパズルです。なかなか一筋縄ではいきません。

なお、このパズルを解くのに一番必要なものは、知識ではありません。実はこのゲーム、「発想の転換」こそが一番のカギなのです。


巻き戻る時間

実は、彼女たちには弱点があります。

少女は光に弱く、強い光源があると進めません。逆に彼女の影は、光源の中でしか生きられません。いばらのような障害物もあり、彼女たちの行く手を阻みます。

ですから、時には光や闇に飲まれてしまいます。そうなれば、彼女たちの旅はそこで終わってしまうでしょう。

ですが、この世界では「時を巻き戻す」ことができます。そうすることで、少し前へと戻り、やり直すことが出来るのです。

これが、なかなか画期的なシステムなんです!

キャラクターが死んでも、いちいちチェックポイントまで戻されません。従来のゲームではそれが普通でしたが、本作は違います。「その瞬間」にやり直せるのです。

「あ、やってしまった」と思った瞬間にボタンを押します。すると、ぐぃーんと時間の逆回転が始まり、「まだ無事な状態」へと戻せるのです。これは、本当に快適なシステムです。


トロコン難易度

トロコン難易度は低めです。

パズル自体が解ければ、クリア自体は難しくありません。アクションもギリギリなものは要求されません。苦手な人でも、なんとかなるレベルかと思います。

また、「折り紙」という収集要素が用意されています。これが各地に配置されていて、全部で98個あります。これの収集は少々大変です。

収集系トロフィー、めんどくさいなーなんて思いませんか?

でも、これを一つのコンテンツとしてみると面白いです。というのも、「折り紙」の隠されている場所が、なかなか凝っています。

折り紙」は、目の前に見えている状態がほとんどです。でも、セッション中の1つ2つは作為的に隠されているのです。言うなれば、「意識の外」にあるようなところだったりします。

ですから、「折り紙」もなるべく自力で探してみるのをオススメします。分かってみると、「そこかい!」と声に出してしまうような場所も。面白いです。


総評

パズルが好きな方には、文句なしにオススメします。「なぜやらないのか」と言うレベルの良ゲーです。

このゲーム、延々とパズルだけが続きます。ムービーのような、操作不能な時間もほとんどなくですよ。なかなかのボリュームです。

一つのステージ自体が短いので、簡単にやめられるのも良いですね。時間があまり取れない方、どっぷりとプレイしたい方、両方にやさしい仕様です。

ムービーのような、操作できない時間があまりありません。ゲームをゲームとしてプレイできる「可食部」的な部分が本当に多い。文句なしに満足できるゲームです。やらない理由はないです。・・・続編出ないかなあ。

あとこれは余談ですが・・・、女の子の声は、ハンナ・マリーという女優さんが声をあてています。「ゲーム・オブ・スローンズ」でジリ役だった方ですね。彼女の英語音声はとても聞き取りやすく、かわいらしいです。作品にマッチしていて素晴らしいですね。


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鈍器の管理人・サ場

鈍器とダークファンタジーをこよなく愛するニワカゲーマー。ソウルシリーズやパズルゲームが好き。最近は、低価格帯のインディーズゲームを好んでプレイ。

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