MISTOVER:レビュー

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2D RPG レビュー 星3

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 本稿は「MISTOVER」のレビューです。


本ゲームは、ローグライクRPGです。仲間と共に、未開のダンジョンを攻略します。(PS4版でプレイし、トロコン済みです。)




ゲーム概要

難易度が高めなので、正直あまり気軽にオススメできません。ただ、ベースとなっているゲームシステムは面白く、中毒性があります。

ストーリー

人類文明が衰退していく中、巨大な竜巻と共に幻獣が出現します。王国アルタでは、この竜巻を調査するために調査団が結成されます。

・・・と、どこか陰鬱な雰囲気を漂わす物語になっています。ですが、キャラクターは可愛らしいので、あまりネガティブな雰囲気ではありません。

全体的にシリアスな雰囲気だけど、キャラデザ可愛らしいというのは、"世界樹の迷宮"シリーズを彷彿とさせますね。

ゲームシステム

公式は、なぜかローグライクRPGと銘打ってるのですが・・・。ローグライクなのはダンジョン部分だけです。ダンジョンはランダム生成され、取得アイテムも敵の配置もランダムです。

キャラクターに関しては、普通のRPGと同じです。強化はリセットされません。経験値でレベルアップし、装備更新で順当に強化していけます。なお、死亡時にキャラクターはロストします。

ストーリーの進行のためには、依頼をクリアしていく必要があります。そして、ダンジョンのボスを討伐することで、次のエリアが解放されていきます。

また独自のシステムとして、"滅亡の時計"というものがあります。プレイヤーの行動により、時計の針が一進一退を繰り返します。この時計のカウントダウンがゼロになると、ゲームオーバーとなり、セーブデータは消去されてしまいます。

DLC

ギルティギアとのコラボで、ファウストが登場するステージへ挑戦できます。このステージは、パーティの強さに合わせてステージのレベルも調整されます。すべて金箱であり、Epicの出現率が高いようです。ボーナスステージのようなイメージでしょうか。

良いところ

残念ながら悪いところばかり目立ってしまうゲームなのですが、良いところもあります。

魅力的なキャラクター

ダンジョンへは5人パーティで挑みますが、8種のキャラクターの中から選択可能です。どれも個性的で、性能も様々です。キャラデザが可愛らしく、よく喋ります。

基本的なパーティであれば、パラディンシスターは必須でしょうか。あとは戦略や構成によって適宜入れ替えます。シャドーブレードウェアウルフは、安定して強いのでオススメです。また、シャドーブレードの探索スキルがあると、探索時の快適さが全然違います。

以下はキャラクターの一覧です。誰をパーティに入れるかは、プレイヤーの自由です。

  • パラディン:タンク。大器晩成型。HPが低い序盤は、少々使いにくい。
  • シャドーブレード:万能アタッカー。範囲攻撃や搦め手が強い。
  • シスター:ヒーラー。ほぼ必須。全体的にステータスは低め。
  • グリムリーパー:デバフ特化。ボスはデバフが殆ど効かないので、使い勝手が悪い。
  • ロウニン:攻守バランス型。MP代わりに妖力を使用するため、始動が遅い。
  • オンミョウジ:バッファー。バフのばら撒きや、式神が強い。
  • ウィッチ:アタッカー。範囲攻撃が強い。攻撃時に隊列を崩すので、使い勝手が悪い。
  • ウェアウルフ:単体火力最強。強力スキルも範囲火力で、使い勝手が良い。

個人的にはウィッチグリムリーパーが好きでした。ただ残念ながら、癖があって使いにくいので、あまり使いませんでしたね・・・。


悪いところ

ベースとなっている探索や戦闘のシステムは悪くないのですが、このゲームはイマイチなシステムが多いです。

デメリットしかない隊列システム

戦闘時の隊列システムは、一見、戦略性がありそうに見えます。ですが実は、デメリットがプレイヤー側にしかありません。敵側を強制移動させることも可能ですが、殆ど意味がありません。

このシステムでは、9マス(前列・中列・後列、横3列)にキャラクターを配置します。キャラ位置によっては、使用不可のスキルもあります。また、協力スキルを使うために、さらに位置が制限されます。

ですが、敵のスキルによって、プレイヤーの隊列が何度も乱されます。そのせいで、スキルが使用不能になることもしばしば。スキルで位置修正できる時もありますが、ただ移動するだけで1ターンを消費してしまいます。

これが本当にストレスになります。ダンジョンの中で、砂の城を担いでる気分です。敵に遭遇する度に、砂の城が崩されて作り直しなんです。しかも、乱された隊列は戦闘終了後も、毎回手動で修正する必要があります。

間違った高難易度調整

おそらくは高難易度のところで、絶妙にバランス調整しているつもりなんだと思います。ただそこが、プレイヤーにとってひたすらストレスでしかないところなんです。

たとえば、攻撃を躱すかガードすると、防御側の行動順が繰り上がります。プレイヤー側はガードするには、攻撃せずにガードする必要があります。ところが、敵側はオートガードであり、攻撃しながら普通にガードします。

しかも、どんなに命中を上げても、命中率は90%で頭打ちになります。なので、どんなにレベル差があっても、必ず外す可能性があるのです。緊張感を演出したいのかもしれませんが、格下の雑魚にミスって攻撃食らうというのは、本当にイライラします。

そして、ボス。アップデートで多少マシになったそうですが、状態異常が殆ど入りません。そのせいで、ボス戦は火力一択でしかなく、戦略もなにもありません。その上、即死攻撃のオンパレードで、死んだらロスト。ボスのバランスは特に酷いです。

一方的に乱される隊列、しつこい状態異常。さらには、どんなに命中を上げても外してしまう。物凄いストレスです。

浅い育成システム

最大で、レベル20までしかありません。スキルもそれほど多くありません。武器防具も完全にランダムで、まともなものが滅多に出ません。

さらに滅亡の時計のせいで、適正レベルのダンジョンでしか戦えないので、レベルが上がっても強さをあまり実感できません。この状態だと、敵のレベルがこちらに合わせて変動するシステムと変わらないので、育成する楽しさが一切ありません。

ジンクスも出切ってしまうと、レベルが上がっても追加されません。あとはもう、金を払って付け替えるぐらいしか、やることがありません。

新規のスキルを拾得するには、他のキャラクターを生贄にする必要があります。逆に言えば、レベルアップなどでは一切追加も変更もありません。

むしろ面白さを損なう滅亡の時計

"滅亡の時計"のカウントダウンがゼロになると、セーブデータは消えてしまいます。時計の針は、プレイヤーの行動によって、一進一退を繰り返します。

この針を進めないようにするには、毎回ダンジョンをくまなく探索する必要があります。これが本当に無駄で、目的を達成しても関係なく、毎回全部探索する必要があります。

そして、パーティレベルがダンジョンの適正を超えると、マイナス補正がつきます。これによって、くまなく探索しても、針が進んでしまうことがあります。

そのせいで、ダンジョンを好きに探索することができません。

使い勝手の悪い支援事務所

支援事務所では、拾得した日誌で様々な恩恵が受けられます。

ところが一部、意味のないものがあります。ここで満腹度や光輝度を増やせますが、パーティレベルの上昇で、コストも上昇してしまうので、まったく楽になりません。さらに雇用人数も周回持ち越しができないので、ほぼ意味がありません。

また、すべてカンストしたあとも、日誌(拡張に使うアイテム)がダンジョンで出続けてしまいます。用途がないので、あとは二束三文で売るしかありません。ただ、日誌は倉庫のスペースにカウントしないようです。それが、せめてもの救いでしょうか。

周回時の意味不明な制限

ストーリーをクリアすると周回できますが、持ち越せるものには制限があります。持ち越せるのは、支援事務所の拡張済みの項目、スタメンの5人とそのスキル、未使用のスキルポイント。あとは、呪い済みの装備のみ。

お金も倉庫もレベルも装備も、全部消えます。敵の撃破数や歩数も全部です。そのせいで、トロフィーを狙うと、周回自体できなくなります。

一周がかなり短いので、周回前提かと思えば、まともに周回させないような謎仕様。そのくせ、トロフィーではとんでもなく膨大な繰り返しを必要とします。

意味のないDLC

拾得物が美味しいだけのボーナスステージです。1ステージしかないので、すぐ終わってしまいます。特別面白いシナリオでもなく、トロフィー目的でもないと微妙です。

そもそも本編はやり込み要素が薄く、ラストダンジョン以降はやることがありません。なので、ここで良いものを拾得できても、使い道がありません。せめて、DLC側にやり込み要素があれば良かったのですが。

なお、DLCの適用は、新規セーブデータ作成時なので、既存のセーブデータに追加はできないようです。これも意味不明な仕様です。

難易度

難易度は高めです。

ゲームの難易度

難易度は高めですが、かんたん・ふつう・むずかしいの3種から選択可能です。また、それとは別に、オプションで様々な項目を個別に設定可能です。

この個別オプションを再下限にすると、すべての難易度でヌルゲー化します。おそらくは3種の難易度は、この個別オプションを適切に設定したものだと思われます。3種の難易度はあとから変更できませんが、個別オプションでいくらでも変更はできます。

トロコン(本編)の難易度

3種の難易度をそれぞれクリアする必要があり、1回だけ2週目をクリアする必要があります。ただし、個別オプションでいくらでも難易度を調整できるので、そこまで難しくはありません。

ただし、協力スキル1000回と42195歩のトロフィーだけは、かなり面倒です。それ以外は、そこまで手間はかかりません。これらは、通常のプレイではまず達成できません。ところが、周回時に数値がリセットされてしまうので、周回しないで達成しなくてはいけません。

私は、73時間でトロコンしました。

トロコン(DLC)の難易度

こちらはすぐ終わります。ちょっとボリュームが少なすぎですね。

私は、1時間でトロコンしました。

総評

面白くないってわけではないのだけど、もうちょっと何とかならなかったのか・・・と、言いたくなるゲームですね。

少なくともDLCは必要ないかと。





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鈍器の管理人・サ場

鈍器とダークファンタジーをこよなく愛するニワカゲーマー。ソウルシリーズやパズルゲームが好き。最近は、低価格帯のインディーズゲームを好んでプレイ。

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