ENDER LILIES:レビュー

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2D アクション レビュー 星5

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本稿は「ENDER LILIES: Quietus of the Knights」のレビューです(Ver.1.0.6 13393時点)。

本ゲームは、2Dアクションゲームです。ソウルライクなダークファンタジーです。(PS4版でプレイし、トロコン済み。)



ラスボス到達までは、攻略サイトを見なくても大丈夫でした。あとの取りこぼし分を攻略サイトで確認し、トロコンしています。なるべく自力で探してみたんですが、5箇所ぐらい無理でした・・・。

トロコンまでのプレイ総時間は、30時間程度です。


ダークで素敵な世界観

まず、イントロはこんなカンジで始まります。

死の雨が、人々を異形の「穢者(けもの)」へと変容させる世界。「果ての国」の王国はすでに滅んでしまった。すべての生者は変わり果て、もはや呪われた世界に救いはない。

この穢れた場所、教会の奥深く。そこで少女「リリイ」は目覚める。彼女を呼ぶ声、それは見知らぬ「黒衣の剣士」であった。

・・・どうです?ぞわぞわっとしませんか?まさにダークファンタジー。

穢(けが)れた者とかいて「穢者(けもの)」。・・・良いですね、こういう作品内だけの呼び名。「ソウルシリーズ」や「クトゥルフ」が好きな私には、もうドンピシャな内容。


ゲームシステムは定番路線

ゲーム自体は、オーソドックスな2DアクションRPGです。そこに関しての目新しさは、残念ながらありません。ただ「そうそう、こういうのでいいんだよ」的な定番のゲーム。なので、一定の需要はあるかと思います。特に私に。

本ゲームの話ではありませんが・・・。

2016年にも「Salt and Sanctuary」という2DアクションRPGが発売されています。これも世界観がまさにダークファンタジーでした。「ソウルシリーズ」に触発された作品で、当時話題になったのを覚えています。

ですから、この手のゲームはこれが初!というわけでもありません。似たようなものがすでにあるので、プレイヤーの目も十分に肥えています。

ですが、「またか」という気は全くしません。実際にプレイしてみると・・・、「どうしてもっと早く出さなかったの?続編はもちろん出るんだよね?」と言いたくなります。

まさに会心の出来。オススメです。


最初から手になじむ操作感

プレイヤーが操作するキャラクターは、もちろん少女「リリイ」です。しかし、彼女はか弱い少女です。誰かを傷つけることなどできません。

ですから、攻撃はすべて「黒衣の剣士」が担います。リリイが避け、剣士が攻撃する。その完全分業は、まるで漫画ジョジョのスタンドのようです。

なお、本ゲームはアクションのレスポンスがかなり良いです。2Dアクションはシンプルなシステムなので、レスポンスが悪い時点でクソゲー確定。

そういう意味では、文句なしに良ゲーと言えます。実はいくつか戸惑う部分はあります。モンハンダイブみたいな回避とか。ただ、それぞれのアクションが実に小気味良く、使っていて気持ちが良いですね。


ボスを倒すと新スキル

各地には、様々なボスがいます。彼らは強く、一筋縄ではいきません。

強い穢れを纏う彼らは、一体何者なのでしょうか。なぜ彼らと戦わなくてはいけないのか。少しずつ明らかになっていく真実。その時、「リリイ」はどうするのでしょうか。楽しみ過ぎます。

このボスを攻略することで、「リリイ」は新たな攻撃スキルを獲得することが出来ます。ボス固有の技が使えるようになるので、倒すほどにできることが増えていきます。鉄球ブンブンなボスを倒したら、鉄球ブンブンが使えるようになったり。

新たなスキルを得ると、どんどん違う戦い方ができるようになります。そのタイミングも程良く、ラストまで飽きが来ることはありません。スキルは個別に強化もできるので、強化して使い続けることも可能です。


追加アクションもあります

ステージは様々。教会から始まり、森や城下町、砦や城など。次第におどろおどろしい雰囲気になってきます。いやが上にも気分を盛り上げてしまいます。

ダークファンタジー好きな私にはドンピシャな雰囲気です。(良い意味で)陰鬱な雰囲気は、とても素晴らしい。グロ描写はライト寄りなので、苦手な人でも大丈夫だとは思います。

ボスの中には、攻撃スキル以外だけでなく、追加アクションを持っている者がいます。「二段ジャンプ」や「壁登り」など。習得する度に、行ける範囲がぐっと広がります。

今まで行けなかったところを探索してみると、新たなアイテムを発見できるでしょう。中には、複数のアクションを組み合わせる必要があるかもしれません。


セーブポイントと便利なワープ

マップを確認すると、行ったことのある場所以外にも様々な情報が見て取れます。

レストポイント」はセーブしたり、スキルの付け替えや強化ができる場所です。不親切なゲームだと、妙に遠い場所にあったりと、ひたすらめんどくさいんですよね・・・。

本ゲームはかなり親切な作りで、このレストポイントは随分と多く配置されています。しかも、レストポイント間でのファストトラベル(ワープ)もできます。さらにこのワープ、結構早い段階で開放されるんです。これはすばらしい。

この手のゲームは、進行次第でギミックを解除できる手段が増えていきます。ですから、思い立った時に戻れないと、ものすごいストレスなんですよね。早めのワープ開放は、本当に快適です。


親切設計なマップ

マップが親切設計。まだ行っていないルートも、すぐに分かります。その上、アイテムが収集済みかどうかも容易に分かります。これは本当に有難い。

これのおかげで、攻略サイトを見ないで「自力でも探索してみよう!」という気になります。やはり自分で悩みながら探索するのが、一番楽しいのですよ。それこそ醍醐味。

追加アクションを得る度に、「もしかしてあそこで使えるのかな?」なんて考える楽しみが。もしくはギミックから、倒す必要のあるボスを逆算してみたり。これは本当に楽しいです。


強化はレベル、スキル、そしてレリック

本ゲームにレベルはありますが、攻撃力が上がるだけのようです。(ほかに何か上がっているかは不明。)

ただ、敵も少しずつタフになっていきます。倒すのがしんどくなってきたら、少しだけレベル上げも良いかもしれません。それでも、普段は気にしなくてもサクサクと上がります。

また、「お守りのかけら」など、恒久的に最大HPが増えるアイテムがあります。こういったものを少しずつ集めていき、リリイを強化していきます。

他には「レリック」と呼ばれるものがあります。様々な効果のものがあります。「最大HPが増える」「攻撃力が上がる」「スキルの使用回数が増える」等々。隠された宝箱に入っているものも多いので、探索で発見しないといけません。

ただし、レリックはすべて装備できるわけではありません。スロットという装備枠のようなものがあり、これを超えては装備できません。このスロットを恒久的に増やすアイテムもありますが、探索で見つける必要があります。


高難易度ではない、しかし・・・

ダークファンタジーと言えば、ソウルシリーズだったり、死にゲーだったり。気が付けば、高難易度もセットでついてくるようなイメージがありませんか?

正直、このゲームも難しい部分はあります。後半のダンジョンやボス戦は、なかなかに歯ごたえがあります。ただ、全体的に作りが親切設計なので、そこまでストレスは無いかと思います。

後半の暗闇や毒のステージは、意地悪だなーとは思います。それでも絶対に無理、といったレベルではありません。何度か模索していると、なんとかクリアできるようなレベルです。

ですから、難易度は高くないと思います。でも、低いとは言えない、そんなゲーム。やり終えた後に、ちゃんと「やり応え」が感触として手に残るゲームです。


トロコン難易度は高くない

ラスボスまで進めると、大抵のトロフィーは取得できます。

私は、攻略サイトを見ずにラスボスまで行けました。到達するだけなら、ボス以外はそこまで難しいギミックはなかったと思います。後半のダンジョンは結構複雑ですが・・・。

若干大変なのは収集系くらいでしょうか。それも、あまりめんどくささは感じないです。親切設計なマップのおかげですね。もう序盤から、「隅々まで探索してやろう」魂に火が点いちゃいましたし。

あとは後半のステージやボスたちが、ちょっとキツイかなー?くらいですね。

取りこぼし要素は基本的にはありません。なので、気兼ねなくガンガン進めちゃえます。

ただし、一個だけ取り返しがつかない要素が・・・。(これはトロフィーに直接関係しませんので、後ほど触れます。)


扱っている攻略サイトが多い

このゲームに直接関係することではないのですが・・・。

需要が多いのか、とても攻略サイトが多いです。もちろん攻略動画も多いです。そのおかげで途中で詰まっても、対処法を調べることは難しくないです。これをこのゲームの「ウリ」として、言って良いかは微妙なところですが・・・。

ボス攻略は、基本的には自力で頑張らないといけません。でも、クリアできない時に、どう動けばよいか分かるだけでも全然違いますよね。

たぶん、ボリューム的にも、このゲームはまとめやすいのでしょうね・・・。


ちょっと不満なところ

個人的に少し残念だと思ったのが、BGMです。

ゆったりとした、似たような曲調が延々と続くので、単調に感じました。雰囲気は良いのですよ、雰囲気は・・・。

次に回避モーション。

序盤は、独特な回避モーションに苦戦しました。私はこれを「モンハンダイブ」と呼んでました。無敵が出かかりの一瞬だけなので、かなりギリで避けないといけないんですよね。余裕をもって避けるクセが、なかなか抜けなくて・・・。

あとこれは、このゲームの一番の不満。実はこのゲーム、一つだけ取り返しがつかない要素があるんです。

それはスキルレベルです。

下げたりリセットする手段がないのに、素材アイテムが有限なんですよね・・・。攻略見る前に、念のために使い切らなくて本当に良かった。正直、これだけはなんとかして欲しいかなあ。


総評

おすすめです。

とにかく面白かった。最後まで一気に遊んでしまいました。全体的に親切設計で、ストレスフリーなのが本当に良かったです。

価格は3000円弱。インディーズとしては若干高めの部類。ボリュームは、もう少しあっても良かったかなとは思います。

クリア後にもう少し蛇足があると・・・個人的には嬉しかったのですが。欲張りすぎでしょうか。もしも、このゲームの続編が出るとしたら、私は100%買います。絶対。正直好き。

・・・正直な話、遊び足りない!もっとやりたい!面白い!


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鈍器の管理人・サ場

鈍器とダークファンタジーをこよなく愛するニワカゲーマー。ソウルシリーズやパズルゲームが好き。最近は、低価格帯のインディーズゲームを好んでプレイ。

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