Mortal Shell TVC:レビュー

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3D Mortal Shell アクション レビュー 星5

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本稿は「Mortal Shell - The Virtuous Cycle」のレビューです。

本ゲームは、3Dアクションゲームです。ダークファンタジーな世界観にどっぷり浸れる、いわゆるソウルライクゲーです。(本編、DLC共にPS4版でプレイし、トロコン済みです。)


どんなゲーム?

割と"神ゲー"です!

・・・というのは、まず置いておいて。

まず、本編である"Mortal Shell"ですが、2020年8月にリリースされました。そして、その1年後の2021年08月に、今度は追加DLC "The Virtuous Cycle"がリリースされました。

このDLCは有料ですが、リリース直後は期間限定で無料配布されています。

この作品は"ダークファンタジー"です。そして死んで覚える、いわゆる"死にゲー"です。とてもソウルシリーズに似ています。今でも覚えていますが、本編がリリースされた時は、ネットでもかなり話題になりました。

しかし、ただのパクリゲーといった程度のものではありません。"高い水準でプレイヤーを満足させる"作りで、高難易度な歯応えのあるゲームです。ソウルシリーズのファンだって、十二分に楽しめる内容です。

また、ただ高難易度というわけではありません。ソウルシリーズよりも比較的遊びの幅が広いので、ソウルシリーズで挫折した方でも楽しめるかもしれません。(詳細は後述)


世界設定

ゴリゴリの"ダークファンタジー"です。剣と魔法、若干グロめのモンスターもお約束。

世界は、すでに人類文明が失われしており、荒廃した大地には異形の者たちが跋扈しています。そこに降り立つ主人公は、各地に打ち捨てられた遺体を纏い、様々な能力を獲得します。

遺体は"シェル"と呼ばれ、タイトルに使われるほどキーとなる要素になっています。これはただの設定ではなく、ゲームシステムにも活かされています(後述)。

プレイヤーは初期エリアの森から、地下墓地などの三つのエリアに進みます。これらのエリアの最後には、強力なボスも待っています。

内容的には、ダークソウルよりグロさは控えめな気がします。あっちはエリアによっては、結構エグいのが出てきますし。


ゲームシステム

基本的なシステムは、回避やパリィをして、攻撃する。ソウルシリーズと近い操作感です。その中でも、このゲームならではのシステムがあります。

一番特徴的なのは"硬化"です。読んで字の如く、"石化してカチカチ"になります。個人的に大好きなシステムです。

前項で"遊びの幅が広い"と表現したのは、まさにこのシステムです。コントローラーに"硬化"専用のボタンが割り当てられており、通常攻撃や回避のように簡単に硬化することができます。ソウルシリーズでは、"盾ガード"の性能に近いでしょうか。

硬化中に攻撃を食らえば、その"攻撃をはじく"ことができます。攻撃をはじかれた敵は、その場でよろけます。後半は硬化でよろけない攻撃も出てきますが、"無敵の回避行動"としても使用できるので、使えない場面は基本的にありません。(周回すると、硬化してもダメージが貫通してくるので、硬化一辺倒では進めなくなりますが。)

また、"回避"も独特です。回避ボタン1回だとステップなのですが、2回でローリングになります。敵の攻撃範囲がかなり広いので、ローリングはかなり使います。

なお、このゲームには、ソウルシリーズの篝火と同様のものが用意されています。それは"拠点のシスター"です。話しかけることで、体力が満タンになり、ボス以外の敵がすべて復活します。


万能過ぎる硬化

硬化で面白いのが、"どんなモーション中であっても硬化できる"という点です。それは、攻撃モーション中だろうと、回避モーション中だろうと関係ありません。空中であっても同じです。本当に"いつでもどこでも"可能なのです。

たとえば、先手をとり、敵に2回攻撃を食らわせます。

その間、ずっと敵はよろけ続けるわけではなく、3回目の攻撃を食らわせる頃には反撃してきます。通常は、これを一度回避で躱してから、再度攻撃する必要があります。

しかし、このゲームでは、ここで硬化を使うことができます。

2回の攻撃の後、"3発目の攻撃モーションの途中で硬化"します。この時、硬化ボタンを押しっぱなしにしますが、離せば3発目の攻撃判定が出ます。敵は、この"3発目の攻撃モーション中の硬化"に対して攻撃をすることになります。

これで何が起こるというと、硬化に攻撃した敵は、はじかれてよろけます。そこに3発目がクリーンヒットするのです。もちろん、こちらは硬化ではじき返してるので、ノーダメージです。その上、プレイヤー側は再び攻撃を続行できるのです。

ただし、硬化はいつでもできるわけではなく、クールタイムがあります。ですから、戦闘は回避やパリィ、硬化を駆使しながら戦います。


カッコ良過ぎるシェル

このゲーム、開始するといきなり裸の状態です。このままでも戦えるのですが、各地に打ち捨てられている遺体"シェル"を見つけて纏うと、格段に強くなれます。

シェルは"本編で4種類、DLCで1種類追加"されています。

それぞれに特徴があり、平均的でバランスのとれたシェルであったり、機動性に極振りしたような尖ったシェルもあります。どのシェルで攻略していくかは自由なので、プレイスタイルで色々試してみると良いかと思います。

なお、シェルには能力強化のほかに、もうひとつ役割があります。

シェルを纏った状態では、"体力全損しても一度だけ復帰できる"のです。その際、プレイヤーのキャラは、シェルからはじき出されます。ここで、なんとか再度シェルを纏えれば、もう一度同じ状態で復帰することができます。この時は、"一度だけ復帰できる"権利を失っていますが、シスターに話しかければ権利は復活します。

機能的な話ばかりをしましたが、個人的にはどのシェルも本当にカッコ良くて。無駄にスクリーンショットを撮ってしまいます・・・。ビジュアルもそうですが、モーションも良いのですよね。


カッコ良過ぎる武器

武器も"本編で4種類、DLCで1種類追加"されています。

バランスが良く使い勝手のいい"聖剣"、派手に焔を打ち据える""、モーションは遅いが敵を吹き飛ばす"大剣"、高速連撃が得意な"ハンマー"。そして、DLCで追加された、二本の刀に変形できる""。

それぞれに得手不得手はありますが、どれもモーションがカッコイイ!

初期装備は聖剣です。ただ、これは弱い武器というわけではなく、強化もできます。ですから、どの武器を使ってもゲームをクリアすることは可能です。

モーションもいちいちカッコイイのですよ。ゲージ消費の必殺技もあるのですが、カッコ良いカメラワークで、ぐっと来る手応え感。単純に動かしてて楽しいです。

一番使いやすいのは、やはり"聖剣"でしょうか。

個人的に好きなのは"大剣"ですね。扱いは難しいですが、吹き飛ばしやノックダウンが強力です。また、"ハンマー"はアイテムを併用すれば、必殺技を連発できて爽快です。


難し過ぎるDLC

追加DLC "The Virtuous Cycle"では、"ローグライクモード"が追加されました。本編側には追加らしい追加もないので、これがDLCのメインコンテンツになります。

・・・といっても、実はDLC用の新エリアが追加されたりはしません。

本編とは直接関連しない形で、別次元といった感じに本編のエリアをそのまま流用しています。DLCは本編の中からか、トップメニューから行くことができます。ローグライクというくらいですから、"マップは既存のままですが、敵配置は完全にランダム"になります。

ダークソウルなどの死にゲーは、一般的に理不尽さの代わりに、敵の位置が固定であることが多いです。敵の位置や、襲ってくるタイミングなどを覚えるのが一番の攻略になります。もちろん、それはMortal Shell本編も同様です。

ところが、この新DLCのローグライクモードでは、敵配置がランダムでいつどこから襲ってくるか分かりません。

その上、死ぬと終わりです。進行状況は保存されず、一から挑戦しなおすことになります。これは相当に難易度が高いです。本編をクリアしていない方は、まずクリアできないかと思います。

個人的には、"死にゲー"と"ローグライク"って混ぜちゃいけない気がします・・・。

正直、私は何度も"クリアは無理"だと思いました。それでも、一部強化を持ち越せる要素もあるので、なんとかクリアし、トロコンもできました。本当に歯応えがあります。

更に、前項でも触れていますが、DLCでは"シェルと武器がひとつずつ追加"されています。このシェルと武器は、従来のものよりも強力で、なかなか面白いです。"本編はプレイしていたけど、DLCはまだ"という方でも、十分楽しめるかと思います。


ゲーム難易度

まずは"本編"の難易度ですが、かなり高めです。

ただ、"硬化"のおかげで、ソウルシリーズほどは高い難易度ではないように思います。硬化があれば、雑にプレイしても結構避けられちゃったりするので。ソウルシリーズはシビアなので、きっちり動かないとボコボコにされますし。

各ボスも難易度高めに見えて、実は攻略法を知っていればそこまで難しくありません。"硬化"もあるので、ある程度の動きが覚えられれば、クリアできないということもないかと思います。ただし、ラスボスは結構強いです。

次は、DLC "The Virtuous Cycle"の難易度ですが、本編よりもさらに難易度が高いです。

敵配置を覚えても変わってしまうため、臨機応変さが求められます。また、各エリアのボスは本編と同じですが、ラスボスはDLC専用のものに代わっています。


トロコン難易度

まずは"本編"のトロコンについてです。

ゲーム自体の難易度が高めなので、自然とトロコン難易度も高めです。

さらにはノーダメクリアというトロフィーもあるため、ラスボス戦は本当に大変です。しかし、死んだとしても、すぐに再挑戦できます。何度も挑戦していれば、そのうちクリアできるでしょう。

次は、DLC "The Virtuous Cycle"のトロコンについてです。

こちらは本当に難易度が高いです。死ぬとリセットされてしまうので、万が一を考えるなら、セーブデータを退避しておいた方がいいかもしれません。これは邪道な方法かもしれませんが。

慣れてくれば、死なずに最後まで行けたりするのですが・・・。敵配置がランダムなので、思わぬ事故に会うこともあります。それも度々。

なお、トロコンに関する情報ですが・・・。

本編側のトロコンについては、検索すればたくさんサイトがヒットするかと思います。結構多いので、私はまとめるのを挫折しました!

ですが、DLC "The Virtuous Cycle"分だけのトロコンガイドは作りました。実装当時は本当に情報が無かったので、私の方で確認したものです。何かの参考になれば幸いです。

Mortal Shell TVC:トロコンガイド

本稿は「Mortal Shell / The Virtuous Cycle」のトロコンに関するまとめです。ただし、本編に関する情報はありません。DLC「The Virtuous Cycle(バーチャス・サイクル)」の情報のみです。


総評

"ダークファンタジー"が好き、"ソウルライクゲー"が好き、歯ごたえのある"死にゲー"が好き。当てはまるものがひとつでもあれば、絶対におすすめします。間違いなく面白いです。

難易度は高いですが、ソウルシリーズをプレイ済みの方なら、そこまで苦戦はしないかと思います。逆にソウルシリーズや死にゲーを未プレイの方は、こういうゲームもあるんだよ!というのを知ってほしいです。

個人的には、ソウルシリーズよりは、とっつきやすい難易度だと思っています。

慣れてきて周回できるようになると、ちょっとボリューム少ないかな?とは思うのですが・・・。それも面白かったからこそ、感じる物足りなさではないかと。

こういうタイプのゲームが好きな方には、間違いなく満足できる内容だと思います。

おすすめです!




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鈍器の管理人・サ場

鈍器とダークファンタジーをこよなく愛するニワカゲーマー。ソウルシリーズやパズルゲームが好き。最近は、低価格帯のインディーズゲームを好んでプレイ。

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